腫瘍医学研究センター遺伝子制御研究部門

腫瘍医学研究センター遺伝子制御研究部門では、がん細胞およびその周囲に存在する各種細胞の特性を分子レベルで解析し、がんが治療抵抗性となるメカニズムを解明することを目的として研究を行っています。特に、マウスモデルや臨床検体を用いた生体レベルでの解析を重要視しており、樹立したオルガノイドや患者由来移植腫瘍(PDX)を用いて抗がん剤への抵抗性や免疫回避、腫瘍増大の分子メカニズムを最新の技術で解析します。そして、治療抵抗性のキーとなる分子を明確にし、見出した標的分子を抑制することで治療抵抗性を解消する戦略を立案します。

私たちの研究室では、以下の主要なテーマに焦点を当てています:

  1. がん代謝の理解とその応用
    がん細胞が治療抵抗性を獲得する原因となる代謝経路を解析し、がんの進行や治療抵抗性における代謝の役割を解明することで、新しい治療法の開発を目指しています。
  2. がん幹細胞の理解とその応用
    がんの再発や転移に関与するがん幹細胞の特性を明らかにし、それに基づく新たな治療戦略の開発に取り組んでいます。
  3. 線維症発症のメカニズム解析
    線維症の発症メカニズムを分子レベルで解析し、治療法の開発につながる知見を提供します。
  4. がん関連線維芽細胞成立メカニズムの解析
    がんの進行に関与するがん関連線維芽細胞の生成メカニズムを明らかにし、治療抵抗性克服のための新しいターゲットを特定します。
  5. 高感度変異検出リキッドバイオプシーシステムの開発
    血液サンプルからがんの変異を高感度で検出するリキッドバイオプシーシステムを開発し、早期診断や治療効果のモニタリングに貢献します。
  6. 疾患に関わるRNA異常スプライシングの解明
    がんやその他の疾患に関連するRNAの異常スプライシングメカニズムを解明し、新しい治療ターゲットの発見を目指します。

私たちの研究チームは、臨床医をはじめ、分子生物学、細胞生物学、バイオインフォマティクスなど多様な専門分野の研究者で構成されています。全員が「難治性がんの克服」という共通のテーマに取り組んでいます。

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